「わたしは、私がわからない」 物語は徳井家の居間を舞台にし、徳井家の長女一子と次女さえを中心に進んでいく。「嫁いだ姉が帰ってきた、理由は夫が行方知れずになってしまったから」 漫画家の一子は締切に追われる毎日を過ごしている。 夫が自分の前から姿を消してから一年。二度目の桜の季節がやってきた。周囲は夫に逃げられ、仕事に打ち込む一子を心配する。しかし一子はそれについて何も言わない。不平も言わなければ涙一つこぼさない。そんな姉の姿を妹のさえは冷静に観察し、そして否定する。「お姉ちゃんはいい子のふりを相変わらずしている。自分だけは問題が無いという顔をしている」母・美恵子が茶道教室を営んでいる事も有り、一子は周りの様々な好奇の目にさらされる。 編集者の明菜は一子を大げさに心配し、アシスタントの美優は一子を心の底で馬鹿にしている。夫の同僚柴田は季節ごとの手土産を持って一子の元を訪問する。季節はめぐっている。茶道教室の生徒達は日々の話題に様々な憶測を噂する。静かに見守るのは父・光政だけ。そんな中茶道教室の生徒の一人が一子に一つの依頼をする。「私の事を取材し、それを本に載せ、私の人生を私に見せてください」その依頼にのめり込んでいく一子。その様子をさえは更に嫌悪する。しかし、一子はさえにこう言う「人は誰しも自分より不幸な人を見ることでしか自分の幸せを認識できない」 話を聞くうちに自分も誰かに話を聞いて欲しくなった一子。しかし、自分の周りの人間には話すことが出来ない。万が一、自分が誰よりも不幸な人間だと周りに認識され、自分がそれを認識してしまうのが怖いからである。誰にも自分の心のうちを話せなくなった一子。季節は過ぎ、雪が降る季節になった。
作 坪田文 演出 深寅芥
CAST 斉藤ナツ子、岡田あがさ、佐藤けいこ、細田喜加、冬月ちき、猿田瑛、北川裕子、川嵜美栄子、西田愛李、篁薫、阿倍イズム、半田周平、千葉伸吾、大塚秀記、麻生0児(studiosalt)、青木英里奈(ハロプロエッグ)
「狂った歯車を戻したい」そんな欲求。消えた母親、帰らない姉。錆び行く故郷。 なんでも元に戻せる。修繕できる。いつでもそれが可能とは限らない。そう、「取り返しのつかない事」が世の中には存在するのです。空間ゼリーvol.4「穢レ知ラズ」から3年。民話「鶴女房」を基に、「決して結ばれることのない二人の純愛」「見てはいけないものを 見てしまったとき必然的に訪れる別れ」二つのテーマが根底に流れる物語を再び描く事に。空間ゼリー本公演で初の再演です。再演といっても、普遍的なテーマを持つこの作品だからこそ大胆に、それでいて細かく世 界を構築しなおしたいと思っております。大幅に、いえ完全に戯曲は書き直しいたします。閉鎖的な日本の村社会という舞台はザムザ阿佐谷提携公演という冠によってさらにリアリティを持つでしょう。新しく生まれ変る新生「穢れ知らず」を是非ご賞味くださいませ。
CAST 岡田あがさ・下山夏子・佐藤けいこ・河野真衣・榎本万里子・細田喜加・冬月ちき 猿田瑛・豊永純子・大内結(FLOS) ・篁 薫・水谷一人・鈴木雄三・尾浜義男・宮原将護(Mademoiselle)
本当の世界は球体ではなく、二等辺三角形の形をしているらしい。 その中で生きていく液体にも固体にもなれない、わたし。 誰かに「私」を教えて欲しい。 線路沿いにある有名私立女子高。 卒業アルバムに載せる写真を選別するために休日の教室に集う生徒たち。 載せる写真、載せられない写真。残したい思い出、残せない思い出。 消したい記憶。 彼女たちの隠した真実を呼び覚ますのは踏み切りの音と教卓の上の百合の花。 まだあどけなさの残る少女達の抱える秘密。その秘密から明らかになって行く彼女達のルール。 学校という社会の縮図を舞台に確かなモノを求める女学生の物語。
CAST 斉藤ナツ子・佐藤けいこ・下山夏子・河野真衣・榎本万里子・細田善加・冬月ちき 岡田あがさ(零式)・龍弥(GIG)・相葉健次(GIG)・千葉伸吾
ボヘミアンの終着駅。夢追い者の桃源郷。牢獄の名を持つキャバレー『バスティーユ』 ウェイトレスとしてバスティーユで働くマリーは少女小説家を目指す夢見がちな少女。 ドジで仕事が出来ない上に夢物語ばかりを話す彼女はバスティーユの嫌われ者。 そんな彼女の前に男装の麗人「ルイ」が現れる。 今まで聞いた事もないような甘い言葉をささやくルイを 今まで捜し求めた王子様と信じてマリーはどんどんのめり込んでいく。 「愛さなければはじまらない」 愛を信じた故に少女が引き起こした悲劇の物語。
CAST 徳田奈緒・斉藤ナツ子・佐藤けいこ・下山夏子・竹内春紗・河野真衣・大竹甲一 川渕かおり・榎本万里子・高橋征也(劇団芋屋)・村木藤志郎(うわの空・とうしろう一座) 他
寝室から見えたのは、動かない父とそれを静かに見つめる母でした。明日からの私達は一体どうなってしまうのでしょうか。寝室から見えたのは、動かない父とそれを静かに見つめる母でした。 明日からの私達は一体どうなってしまうのでしょうか。 家にほとんど帰らなかった父親の死をきっかけに三人の娘達の隠されていた母との共通点が見えてくる。 女はみな「つの」を持ちそれを巧妙に隠して生活している。その「つの」が明らかにされた時築いてきた「家庭」という城は崩れ行く。 傾いた家庭を、欠陥住宅に比喩した物語。
作 坪田文 演出 深寅芥 CAST 徳田奈緒・斉藤夏子・佐藤慶子・下山夏子・竹内春紗・河野真衣 粕川順央・本多加奈・大竹甲一 他
両親はいないが、叔父叔母といっしょに平和に暮らしている佐伯家の兄弟達には決して触れられない秘密が二つある。 一つは失踪した母の事。もう一つは家を飛び出した長女「杏子」の事。 兄弟はその話題を避けながら微妙なバランスの中暮らしている。 そこに何の前触れもなく「杏子」が帰ってくる。 隠していた秘密が明らかにされる時、必然的に別れが訪れる。 民話「鶴女房」を元に描かれる、寂れた村に住む佐伯家の物語。
作 坪田文 演出 深寅芥 CAST 徳田奈緒・斉藤ナツ子・佐藤けいこ・下山夏子・工藤幾未・高橋征也(劇団芋屋)他
同じ名を持つ二人の女、イラストレーターの「日々希」とホテトル嬢の「ヒビキ」 仕事の為に子供は要らない日々希と望んでも子供を産むことのできないヒビキ。 決して交わる事のない二人の日常が日々希の夫「康太」によって交わる。 その時彼女たちが求めたのは新しい完璧な家庭の姿だった。 十月十日子供を宿す女性の体を「ホテル」に例え、そこを通り過ぎていく男との交わりを描いた作品。 現在の女性脚本、男性演出という空間ゼリーのスタイルの元となる物語。
作 坪田文 演出 深寅芥 CAST 徳田奈緒・斉藤ナツ子・佐藤けいこ・下山夏子・竹内春紗 他
女の子だけのとある劇団の話。 劇作家のルイ子はとにかく恋愛命。ありとあらゆるいい男をストーカー寸前まで追い詰めて、結局振られる。こっぴどく振られる。 そんなルイ子のせいで演出家の一葉、制作の香織、役者の敦美、樹菜子、佳弥は大迷惑。 でも、ルイ子のことを責められない。なぜならルイ子は自分の恋の始まりから終焉までを元に戯曲を書くからだ。 辛い辛いまるで荒行のような恋を経て、戯曲という修をおさめるそんな劇作家なのだルイ子は。 電話の声は読経の様!メールの文は写経の様・・・人呼んで!『恋愛修行僧』蜷川ルイ子見参!! ルイ子の周りに起きる様々な恋愛と、高校のときルイ子が恋愛修行僧となるきっかけを作った一葉のひそかな想いを描いた物語。
作・演出 坪田文
精神病院の開業医となった雨笠透子は3人の助手に囲まれ、精神科医として順調でおだやかな生活の中にいた。 桜の蕾が膨らみだし。風に暖かさを感じるようになった頃、透子の元婚約者の橋屋兼一から奇妙な患者のカウンセリングを頼まれる。 その患者咲沢亜以は母親に幽閉されているのだという。 透子は亜以のカウンセリングを承諾し、塔の最上階に幽閉されている亜以を往診した。 透子は初めて会ったはずの亜以になぜかどこかであったような感覚を受ける。 それが透子の過去との対話の始まりだった…。 母親と娘の共通点という空間ゼリーがこの後描いていく作品への礎となるテーマを持った物語。